「AIに記事を書いてもらったけれど、なんだか自分の文章ではない」。そんなときは、指示文を長くする前に、AIへ渡している材料を見直してみてください。
僕が実践しているのは、自分で書いた過去記事から文体や構成の共通点を見つけ、新しい記事の体験や取材情報を渡し、完成後の修正理由を次回のルールとして残す方法です。
地域メディア「JIMOHACK湘南」の店舗レビュー記事では、過去記事を3本渡すところから始めました。この記事では、プロンプト(AIへの指示文)とテンプレート(記事づくりで繰り返し使う型)を作るまでの5つの手順を、自分の記事づくりに置き換えられるように紹介します。
まず用意するものは、過去記事と今回の記事の材料
用意するのは、自分が書いた過去記事2〜3本と、これから書く記事の一次情報です。
過去記事は、単に反応がよかったものよりも、「これが自分の書き方だ」と思えるものを選びます。ジャンルも、これから書きたい記事に近いほうが、情報の順番や写真の使い方を比べやすくなります。
僕はJIMOHACK湘南で自分が書いた店舗レビュー記事を3本選び、URLをAIに渡しました。1本だけでは、その記事特有の表現と、いつも使っている書き方を見分けにくいからです。

もう一つ必要なのは、今回の記事で初めて伝える情報です。店舗レビューなら、実際に注文したもの、食べた感想、自分で撮った写真、印象に残った会話など。以前の記事を渡すだけでは、新しい記事の中身までは生まれません。
自分らしい記事をAIと作る5つの手順

1. 自分らしい過去記事を2〜3本渡す
まずは選んだ記事のURLか本文をAIへ渡します。この段階では、記事を書かせるより先に、共通する書き方を見てもらいます。
僕の店舗レビュー記事なら、店の特徴をどこで紹介するか、メニューと実食の感想をどうつなぐか、写真をどの順番で使うか、といった点です。読者へ話しかける言葉の柔らかさも、記事を並べると見えてきます。
2. 共通点を言葉にして、最初の型にする
次に、AIが見つけた共通点を、次の記事でも使える形に整理します。文体だけでなく、見出しの進み方、情報の順番、写真の役割まで見ておくと、記事を作るときの判断に使えます。
例えば、僕の店舗レビューでは「最初に何が特徴の店かを伝える」「メニューの紹介に実際に食べた感想を添える」「最後に店舗情報をまとめる」といった型がありました。
ただし、過去の記事をそのまま正解にしなくて大丈夫です。最初は仮のテンプレートにして、実際に使いながら直していきます。
ここでAIへ伝えるなら、次のような依頼が考えられます。
この3本の記事に共通する文体、見出しの進み方、情報の順番、写真の使い方を整理してください。1本だけに見られる特徴は、共通ルールと分けてください。次の記事で使える短いテンプレートにまとめてください。
整理した結果は、例えば「冒頭で伝えること」「本文で扱う情報と順番」「写真を入れる位置」「言葉づかい」「最後に確認する項目」に分けて保存します。これはテンプレートの項目例です。AIが挙げた特徴をそのまま採用せず、自分の記事と照らして残すものを決めます。
3. 今回の記事だけの一次情報を渡す
型ができたら、新しい記事の材料を渡します。僕の場合、実際に店へ行って感じたことや、注文したもの、自分で撮った写真、地域の人へ特に伝えたいことです。
整ったメモを作ろうとしなくても大丈夫。僕は、感じたことを音声や音声入力で話して渡すことも勧めています。書くより話すほうが、細かな印象まで出てくることがあります。
AIが集めた一般情報だけで埋めず、「自分は何を見て、どう感じたか」を渡す。共通の型を使いながら、記事ごとの個性を残すために欠かせない部分です。
記事を書いてもらうときのプロンプトも、最初は簡単なもので十分です。
先ほど作ったテンプレートを使って、次のメモから記事の下書きを作ってください。実際に見聞きしたことと僕の感想を分け、メモにない体験や発言は加えないでください。必要な情報が足りなければ、書く前に質問してください。
今回の記事のメモ:[自分の体験、伝えたいこと、写真の内容などを入れる]
4. 完成稿を読み、違和感の理由まで伝える
AIが書いた記事は、必ず自分で確認します。事実が合っているかだけでなく、「この言い方は自分ならしない」「この順番では店のよさが伝わりにくい」と感じるところを探します。
僕は、その場で文章を直して終わりにせず、修正前後の違いと、なぜ直したのかをAIへ伝えます。例えば「柔らかくしたい」というだけでは次回に生かしにくいので、どの表現が強すぎたのか、どんな言い方なら自分に合うのかまで残します。
写真と本文の食い違い、行っていない場所の描写、確認できていない感想が入っていないかも、この段階で見ます。自分の名前で出す記事だから、最後の判断は自分で行います。
5. 修正理由をテンプレートやスキルへ反映する
最後に、次の記事でも使いたい修正をテンプレートへ加えます。Codexのように保存した手順を次回参照できる環境なら、スキルに反映する方法もあります。
ここでいう「育てる」は、AIが一度の会話で勝手に学習して変わるという意味ではありません。自分の判断をルールとして残し、次の記事でもAIがそれを参照できるようにすることです。
最初から完璧な型を作ろうとせず、記事を1本書くたびに気づいたことを足す。そうやって、自分の仕事に合う書き方へ近づけていきます。
AIへ任せる作業は、記事を書く前後にもある

書き方の型ができると、記事づくりの前後にある作業も整理しやすくなります。
僕が考えているのは、Googleドライブからの写真取得、スマホ写真のWebP化、アイキャッチの作成、WordPressへの入稿、SNS投稿への展開までを一つの流れとして扱うことです。どこまで実際に任せられるかは、使うAIと連携先、確認方法によって変わります。
最初から全部を自動化する必要はありません。毎回繰り返している作業を一つ選び、手順と確認する点を残すところから始められます。
自分にしか渡せない材料が、記事の違いになる
AIは文章を整え、決めた手順に沿って作業を進められます。一方で、店へ行ったときに何を見たか、何を注文してどう感じたか、写真を撮った理由は、僕が伝えなければ分かりません。
過去記事から見つけた型に、今回の体験を入れる。そして、完成稿への違和感を次のルールに変える。この繰り返しが、AIを使っても自分の言葉で発信し続けるための方法だと考えています。
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